盗撮してしまったら、いつ逮捕される? 自首すべき? 適切な対処法
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令和5年11月29日、甲府市内の家電量販店において女性のスカート内を撮影していたとして、19歳の男が現行犯逮捕されたというニュースがありました。
盗撮は、性的姿態等撮影罪、迷惑防止条例違反に該当するおそれのある犯罪行為ですので、盗撮が発覚すると警察に逮捕されてしまう可能性があります。特に、令和5年7月13日からは性的姿態撮影等処罰法が適用されますので、盗撮をすると同法により厳しい刑罰が科されることになる可能性があります。そのため、盗撮してしまったことが発覚したときは、なるべく早く適切な対応をとることが大切です。
今回は、盗撮してしまったことが発覚したときに逮捕される可能性と、逮捕を回避するためにできることなどについて、ベリーベスト法律事務所 甲府オフィスの弁護士が解説します。
1、盗撮してしまったら、すぐ逮捕される?
盗撮してしまったら、すぐに逮捕されてしまうのでしょうか?以下では、盗撮が発覚するきっかけや発覚した後の流れについて説明します。
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(1)盗撮が発覚するきっかけ
盗撮をしている本人は、被害者や周囲に発覚することがないように盗撮しているかもしれません。しかし、実際には不自然な体勢で撮影をしていることもありますので、そのような状況を目撃した人からの声掛けや通報により発覚することがあります。
また、被害者自身が盗撮されていることに気付けば、その場で確保されてしまうこともありえます。
さらに、駅や商業施設での盗撮だと、防犯カメラに実際の盗撮行為が映っているケースもあるため、防犯カメラの映像で犯人が特定されて、盗撮が発覚するケースもあります。 -
(2)盗撮してしまったことが発覚したときの流れ
盗撮してしまったことが発覚すると、被害者や目撃者が警察に通報して、駆けつけた警察官により現行犯逮捕される可能性があります。
以下では、盗撮により逮捕された後の流れについて説明します。
① 逮捕・取り調べ
盗撮で現行犯逮捕されると、そのまま警察署に連行され、警察官による取り調べを受けます。
逮捕中は、身柄拘束をされていますので、自由に行動することはできず、弁護士以外との面会もできません。
ただし、逮捕には時間制限がありますので、警察は、逮捕から48時間以内に被疑者(※警察や検察などの捜査機関に、犯罪の嫌疑をかけられており、まだ起訴されていない人)の身柄を検察官に送致しなければなりません。犯罪の嫌疑がない場合や、被害者との示談が済んでいる場合など、警察官の判断によっては、検察官に送致される前に釈放されることもあります。
② 検察官送致
被疑者の身柄送致を受けた検察官は、被疑者に対する取り調べを実施し、身柄拘束を継続するかどうかを検討します。
身柄拘束を継続する必要性がある場合は、送致から24時間以内に裁判官に対して勾留請求がされます。
③ 勾留・勾留延長
裁判官は、被疑者に対する勾留質問を行い、検察官からの勾留請求を許可するかどうかの判断をします。
勾留が許可されると、原則として10日間の身柄拘束を受けることになります。
また、検察官が勾留延長請求をして、裁判官がそれを許可すると、さらに最長で10日間勾留機関が延長され、身柄拘束が合計で20日間継続することもありえます。
④ 検察官による起訴または不起訴の決定
検察官は、勾留期間が満了するまでの間に起訴・不起訴の判断を行います。
起訴には2種類あり、「公判請求」もしくは「略式起訴」によって刑事裁判が開かれることになります。
公判請求の場合は、裁判の審理が終了するまでに数か月かかることが一般的です。
一方で、被疑者の同意があり、簡易裁判所で扱える事件、かつ罰金100万円以下または科料の刑罰の場合には、略式裁判で罰金刑が言い渡されることもあります。書面審理のため、身体的・心理的負担は比較的少ないでしょう。
不起訴の場合は、裁判は開かれず、前科もつきません。 -
(3)盗撮で適用される刑罰
盗撮をしてしまった場合に適用される刑罰には、以下のようなものがあります。
① 性的姿態等撮影罪
撮影罪は、令和5年7月13日に新たに施行された性的指定撮影等処罰法に規定された犯罪です。被害者の性的な部位等を対象とする盗撮については、原則として撮影罪が適用されます。
撮影罪は、人の性的姿態等を同意なく撮影することを禁止していますので、女性のスカートの中をスマートフォンなどで撮影する行為は、撮影罪の典型的なケースといえるでしょう。
なお、撮影罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金と規定されています。
② 迷惑防止条例違反
性的姿態等撮影罪が適用されない場合であっても、盗撮行為は、各都道府県が制定する迷惑防止条例により処罰されることがあります。
たとえば、山梨県迷惑行為防止条例では、以下のような盗撮行為が禁止されています。- 公共の場所にいる人または公共の乗物に乗っている人を盗撮する行為
- 学校、事務所、タクシーその他不特定または多数の人が利用または出入りする場所にいる人または乗物に乗っている人を盗撮する行為
- 住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所で盗撮する行為
上記のような盗撮行為をすると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます。
ただし、常習性が認められる場合は、さらに重い罰を科される可能性があります。 -
(4)盗撮で現行犯逮捕されなかったとしても後日逮捕される可能性がある
盗撮は、被害者や目撃者による確保や通報によって、現行犯逮捕されるケースは少なくありませんが、現行犯逮捕されずに盗撮現場から逃げ切れたとしても後日逮捕される可能性はあります。
被害者から被害届が提出されれば、警察による捜査が開始し、防犯カメラや目撃者からの証言、交通系ICカードやクレジットカードの利用履歴などから犯人が特定される可能性もあります。
このようなケースでは、後日、警察官が被疑者の自宅を訪ねてきて、逮捕状による通常逮捕の可能性もあります。
2、盗撮したら、発覚する前にデータを削除すべき?
盗撮してしまった方の中には、盗撮したデータを削除しようと考えている方もいるかもしれません。
しかし、データを削除したとしても、警察によりスマートフォンなどが押収されれば、削除したデータは復元されてしまいます。
むしろ、データの復元により捜査の期間が長くなるおそれがあります。
データを削除するか否かは、弁護士に相談して助言を得ることをおすすめします。
3、盗撮による逮捕を回避するためには
盗撮による逮捕を回避するためにできることとしては、以下のような方法が挙げられます。
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(1)自首をする
自首とは、捜査機関に事件が発覚または犯人が特定される前に、犯人が自主的に犯罪事実を申告することをいいます。
自首が成立することで、刑の減軽を受けられる可能性が生じますが、逮捕を回避する観点でも有利な事情と評価されます。なぜなら、自首をすることで逮捕の要件である逃亡や証拠隠滅のおそれがないということを示せるからです。
自首をする際には、盗撮に使用した撮影機器やデータなども一緒に提出することで逮捕を回避できる可能性を高めることができます。
しかし、中には自首をせずに被害者と示談交渉を進めた方がいい場合もあります。被害者との示談交渉については、次で詳しく解説します。 -
(2)被害者との示談交渉
盗撮による逮捕を回避するには被害者との示談が重要です。
被害者が被害届の提出や刑事告訴をする前に示談を成立させることができれば、刑事事件化を回避し、逮捕されるリスクを下げることができます。
また、被害届や告訴状が提出された後でも早期に示談を成立できれば、逮捕を回避できる可能性が高くなります。 -
(3)なるべく早く弁護士へ相談
盗撮してしまったという場合は、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談することで、後述するようなさまざまなメリットがありますので、逮捕や起訴を回避できる可能性が高くなります。
逮捕されれば長期間の身柄拘束を受けるリスクがあり、起訴されれば前科がついて社会的信用性を著しく失うことになります。
このようなリスクを最小限に抑えるためにも、弁護士への早期の相談が重要です。
お問い合わせください。
4、盗撮してしまった場合は弁護士に相談を
盗撮してしまったときは、以下のような理由からすぐに弁護士に相談することをおすすめします。
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(1)自首が有効かどうかのアドバイスを得られる
自首をするタイミングは、捜査機関に犯罪が発覚または犯人が特定される前に行わなければなりません。
また、自首をしたからといって、必ず逮捕を回避できるわけではありませんので、自首をするかどうかは慎重に検討すべきでしょう。
弁護士であれば、自首が有効であるか、自首をすべきかどうかについてのアドバイスが可能です。 -
(2)自首の同行を依頼できる
弁護士に依頼をすれば、警察署への自首に同行してもらうことができます。
自分一人で自首をするのは不安な気持ちも大きいと思いますが、弁護士が一緒であれば非常に心強いといえるでしょう。
弁護士は自首後の取り調べには同席できませんが、警察署内で待機することはできますので、取り調べでの受け答えに不安があるときは、取り調べを中断して、弁護士にアドバイスを求めることも可能です。
不利な供述調書をとられないようにするためにも、弁護士による取り調べ同行は有効な手段となります。 -
(3)示談交渉を弁護士に一任できる
盗撮事件では被害者との示談が重要になりますが、被害者は、犯罪の性質上、加害者に対して強い処罰感情を有していますので、加害者が直接示談交渉をすることは極めて難しいです。刑事事件化した後の場合、加害者の被害者に対する働きかけが証拠隠滅に該当する可能性があります。
また、盗撮事件では、お互いに面識がないため、示談交渉をしたくても相手の連絡先がわからないというケースも少なくありません。
弁護士に依頼すれば、捜査機関を通じて被害者に示談の意向を伝えることができますので、相手の連絡先がわからない状態でも示談交渉を行うことが期待できます。
また、弁護士が窓口になって示談交渉をすれば被害者としても安心して交渉に臨めるでしょう。 -
(4)前科の回避や刑の減軽が期待できる
日本の刑事司法では、検察官により起訴された事件は、ほとんどの場合が有罪になりますので、起訴されると多くのケースで前科が付いてしまいます。
前科を回避するには不起訴処分を獲得することが重要になりますが、それには弁護士によるサポートが不可欠です。
刑事事件に強い弁護士であれば、前科の回避や刑の減軽を受けるためのポイントを熟知していますので、効果的な弁護活動により、有利な処分を獲得できる可能性を高めることができます。
お問い合わせください。
5、まとめ
盗撮してしまった場合、被害者や目撃者、防犯カメラの映像などから盗撮行為が発覚して、現行犯逮捕や後日逮捕となる可能性があります。
法改正により盗撮には性的姿態等撮影罪が適用され、重い刑罰が科される可能性がありますので、盗撮してしまったときは弁護士に相談して、適切なサポートを得ることをおすすめします。
盗撮してしまい、逮捕されるかもしれないと不安な方は、ベリーベスト法律事務所 甲府オフィスまでご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
