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性格の不一致による離婚のカギは「解決金」? メリットや慰謝料との違い

2022年03月03日
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性格の不一致による離婚のカギは「解決金」? メリットや慰謝料との違い

人口動態統計によると、2019年(令和元年)における山梨県内の離婚件数は1356件で、前年よりも69件増加しました。

離婚原因でもっとも多いのが「性格の不一致」ですが、これを理由として離婚するためには、相手方の同意が必要です。もし相手が離婚を拒否している場合は、「解決金」の支払いを提案することで、納得して離婚に同意してもらえる可能性があります。

この記事では、性格の不一致を理由とする離婚の可否や、離婚時に支払う解決金などについて、ベリーベスト法律事務所 甲府オフィスの弁護士が解説します。

(出典:「令和元年人口動態統計 第47表:離婚数・率、年次別-全国、山梨県」(山梨県))

1、性格の不一致を理由に離婚できる?

性格の不一致によって離婚するケースが、知人や親族の間でも発生したことがあるという方もいるのではないでしょうか。

性格の不一致は非常にポピュラーな離婚理由ですが、そもそも「性格の不一致」とは何なのでしょうか。法律上、どのような場合に性格の不一致を理由とした離婚が認められるのでしょうか。

  1. (1)性格の不一致とは?

    性格の不一致に法律上の定義はなく、「夫婦がうまくいかなくなった」という程度の意味しかありません

    つまり、一言で性格の不一致といっても、実際に離婚に至った原因は、夫婦によってさまざまなのです。

    たとえば、

    • 生活についての価値観が合わない
    • 金銭感覚が合わない
    • 子どもの養育についての意見が合わない


    などの事情が、ひとまとめに性格の不一致と称される傾向にあります。

  2. (2)協議離婚や調停離婚であれば、性格の不一致での離婚も可能

    上記のように、性格の不一致は非常に漠然とした概念なので、そのことだけで一方的に離婚を請求できるわけではありません。

    裁判所を介して離婚を成立させる裁判離婚においては、民法第770条第1項各号に規定される法定離婚事由が必要になります。そして、性格の不一致は、民法第770条第1項5号における「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する可能性がありますが、簡単に認められるわけではありません。

    ただし、協議離婚や調停離婚であれば、法定離婚事由は必要ありませんので、離婚の理由が問われることはなく、夫婦が同意すれば離婚を成立させることができます。

    したがって、「性格の不一致」による離婚を目指す場合は、裁判を行っても確実に離婚が認められるわけではありませんので、離婚協議や離婚調停を通じて、相手方から離婚の同意を得ることが必要になるのです

2、離婚時の「解決金」とは?

性格の不一致を理由として離婚したい場合でも、相手が離婚に同意してくれるとは限りません。そんなときは、「解決金」の支払いを提案することで、事態を打開できる可能性があります。

  1. (1)離婚時に解決金を支払うメリット

    離婚時の解決金とは、離婚を円滑に成立させる目的で、夫婦の一方から他方に対して支払われる金銭を意味します。

    解決金が支払われる背景には、

    • どちらか一方に非があるものの、そのことを明確に認めたくない
    • 法定離婚事由はないものの、どうにかして離婚を成立させたい


    といった事情があるケースが多いです。

    このような場合に、法的性質が曖昧な「解決金」のやり取りを行うことで、夫婦双方が円満に離婚を成立させやすくなるメリットがあります

  2. (2)離婚時に解決金を支払う際の注意点

    離婚時に解決金を支払う場合、離婚に関する争いの一切を終わりにすることを、夫婦間で合意しておくべきです。

    具体的には、解決金の支払いの約束と共に「清算条項」を規定した離婚協議書を作成しておきましょう。また、離婚協議書は公正証書化しておくことが望ましいです。たとえば、解決金の支払いが約束されたにもかかわらず、解決金が支払われない場合、離婚協議書を公正証書化して強制執行認諾文言を設けておけば、裁判を起こさずに強制執行の手続きを申し立てることができます

    清算条項とは、離婚協議書に定めるもののほか、夫婦間に一切の権利義務が存在しないことを確認する条項です。解決金とは別に、慰謝料などを請求される事態を防ぐことができます。

    なお、離婚時の解決金には、慰謝料や財産分与に準じたものとして行われる限り、贈与税が課されることはありません。

    ただし、解決金の金額があまりにも高額な場合には、実質的に贈与が行われたものとして、贈与税が課される可能性がある点に注意が必要です。

  3. (3)離婚時の解決金の相場は?

    離婚時の解決金は、支払われる背景事情が夫婦によってバラバラであるため、明確な金額相場があるわけではありません。

    特に、性格の不一致を理由とした離婚を成立させるために解決金が支払われる場合、「相手が納得できる金額かどうか」がポイントになりますので、純粋な交渉によって金額が決まります。

    解決金に関する話し合いは、夫婦間で腹の探り合いになるため、長期化することもしばしばです。当事者同士で直接話し合いを行うと、互いに感情的になり、なかなか話し合いが進まないことも予想されるため、弁護士に交渉を代行してもらうことをおすすめします。

3、解決金と慰謝料の違いは?

解決金と同様に、離婚する当事者間でやり取りが行われることがある金銭として「慰謝料」が挙げられます。

解決金と慰謝料は、性質が重なり合うケースもあるものの、基本的には別物です。以下では、慰謝料とは何かについて、解決金と比較しながら解説します。

  1. (1)慰謝料とは?

    慰謝料とは、一般に「不法行為」(民法第709条)によって被った精神的ダメージを補填(ほてん)する損害賠償金を意味します。

    離婚のケースでは、不貞行為・DV・モラハラなどがあった場合に、慰謝料が発生します。

    解決金は純粋に夫婦間の合意により支払われるのに対して、慰謝料は不法行為に基づいて発生する点で、法的な性質に違いがあることがわかります

    ただし、たとえば不貞行為に起因して協議離婚をする場合には、慰謝料ではなく解決金という名目で金銭の授受が行われるケースもあります。この場合、解決金は実質的に慰謝料としての意味合いを有することが多いです。

    このように、解決金と慰謝料は別物であるものの、事情によっては重なり合う部分があり得ると理解しておきましょう。

  2. (2)性格の不一致による離婚の場合、慰謝料は発生しない

    性格の不一致は、どちらか一方が相手に対して違法に損害を与える不法行為には当たりません。

    そもそも性格の不一致には、どちらか一方が悪いわけではなく「お互いさま」であるというニュアンスが含まれているので、不法行為が成立しないことはイメージしやすいでしょう。

    不法行為が成立しない以上、性格の不一致を理由に離婚する場合、相手に対して慰謝料を請求することはできません。また同様に、相手から慰謝料を請求されることもありません。

    その代わりに、離婚を切り出すことについての負い目や、突然離婚を切り出されたことに関する不満の折り合いを付けるため、解決金の授受が行われることがあるのです。

4、解決金の支払いを提示しても離婚が難しい場合に利用できる手続き

解決金の支払いを提案しても、相手が金額に納得しない、またはそもそもお金を積まれたからといって離婚に応じる気がないという場合もあるかと思います。

その場合は、離婚調停や離婚訴訟の手続きを利用しましょう。

  1. (1)離婚調停

    離婚調停は、調停委員の仲介の下で、離婚についての話し合いを行う手続きです。

    夫婦だけでの話し合いでは気持ちの整理がつかない場合でも、離婚調停を通じて話し合いを続けていく中で、夫婦関係の修復は不可能であることを悟り、離婚に応じるケースもあります。
    調停委員が間に入ることで、冷静にお互いの気持ちや希望を開示できる点が、離婚調停の大きなメリットです。

    離婚調停は、相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所に申し立てることで利用できます。

    調停期日の当日は、調停委員が夫・妻から個別に言い分を聴き取りながら、離婚をすること自体、および離婚条件(財産分与・養育費・親権等)について、夫婦の意向をすり合わせようと試みます。

    最終的に、裁判官が提示する調停案に夫婦双方が同意すれば、調停離婚が成立します。

    (参考:夫婦関係調整調停(離婚)|裁判所)

  2. (2)裁判離婚

    離婚調停が不成立となった場合、夫婦どちらかの一方的な意思によって離婚を実現するためには、訴訟を通じて離婚請求をするほかありません(裁判離婚)。

    ただし、裁判離婚が認められるためには、民法第770条第1項各号所定の「法定離婚事由」が必要です。

    <法定離婚事由>
    1. ① 不貞行為
    2. ② 悪意の遺棄
    3. ③ 3年以上生死不明
    4. ④ 強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと
    5. ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由


    性格の不一致は、上記の法定離婚事由のうち⑤の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性がありますが、それが婚姻を継続し難い重大な事由とまではいえないと判断されることもあります。

    そのため、裁判離婚を目指すには、性格の不一致としてどのような具体的な事実があるのかを示し、いかに婚姻を継続し難い重大な事由があるのかを主張する必要があります。

    また離婚訴訟では、法定離婚事由の存在を証拠によって立証することが必要です。訴訟の準備や期日の対応には、多くの時間と労力を要するため、弁護士に代理人を依頼することをおすすめします

5、まとめ

性格の不一致を理由に離婚したいけれども、相手が離婚を拒否している場合には、離婚解決金の支払いを提案することで、相手を納得させ離婚の同意が得られる可能性があります。

解決金を支払う際には、後に追加で慰謝料請求を受けたり、意図しない課税が発生したりするトラブルを避けるため、弁護士や税理士に相談しながら手続きを進めましょう。

ベリーベスト法律事務所では、離婚・男女問題を専門的に取り扱う弁護士が、円滑な離婚の成立に向けて依頼者をサポートいたします。

性格の不一致を理由として、配偶者との離婚をご検討中の方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所 甲府オフィスへご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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